寫真の里伽子を見ているうちに、いくつかの里伽子がいるシーンが甦ってきた。六年生(高3)になって同じクラスになったことや。ゴールデンウィークの小旅行や。ふたりで泊まったホテルや、いろんなことを。ぼくにはわりに楽しかったり、驚いたりもしたいくつかのことも、里伽子には、なんの意味もなかったわけだな。それはなんだか、すこしばかり淋しいことだった。ぼくはそのとき初めて、里伽子をすごく好きだったことに気がついて、とりかえしのつかないような気持ちになった。作家生活15周年を期して氷室冴子が贈(zèng)る、土佐、そして東京を舞臺(tái)にした青春小説の決定版。
作者簡(jiǎn)介 冰室寒子 1957年1月11日生 出生地:北海道 本名:錐井小惠子 學(xué)歷:藤女子大學(xué)國(guó)文系 出道:集英社青春小說 新人賞佳作獎(jiǎng)
目錄: 第一章 盡是離愁別緒 第二章 男子漢 第三章 里伽子 第四章 再見里伽子 第五章 溫柔的夜晚 第六章 聽到濤聲 附錄一 聽到濤聲動(dòng)畫版資料 附錄二 聽到濤聲中的浪漫主義 后記
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