人間の優(yōu)に六倍は超す壽命と強靱かつ優(yōu)美な肉體を持つ“貴種”に支配される西歐中世的世界。しかし彼ら“貴種”は、大陽の光を嫌い、人の血を好む吸血鬼と噂されていた。ある日、聖十字架教會の養(yǎng)い子で十四歳の少年ラウルは、森で“人狼”に襲われていた領主シェミハザ伯爵の嗣子イオアンと出會う。彼に惹かれていくラウルは、“貴種”を忌み嫌う司祭の不興を買い、教會を飛び出した。そして、イオアンの侍者となり、城で暮らすことになるが、そこでは…。少年たちの出會いは、平穏に見えた彼らの世界と運命を動かした。新たなる“吸血鬼”世界が、いまここに、始まる。