ピース又吉直樹、初の単獨(dú)単行本を刊行。 ∠〈螘|人が、上京してからのなにものでもない日々、そして蕓人として舞臺(tái)にテレビに活躍する日々を東京の風(fēng)景と共に綴る。すれ違う怪しい人物たち、なんでもない美しい風(fēng)景、行き場(chǎng)のない気持ち――哀しく可笑しい100編の東京物語(yǔ)。好評(píng)を博した『マンスリーよしもとPLUS』の連載に全面的に書き下ろしを加え、待望の刊行!! 新宿歌舞伎町は恐ろしい。上京して間もない頃、身の程知らずの僕は歌舞伎町のカラオケ屋でバイトをしようと面接を受け見事に玉砕。女性店長(zhǎng)の表情から完全に不採(cǎi)用だと確信し絶望している最中に、「この街危ないなら気をつけて帰りなよ」とドラマのような臺(tái)詞まで吐かれ正に泣き面に蜂。暗鬱な気分をぶら下げ外に出ると、段ボールの上で眠る老人が「ぺー」と放屁した。その軟弱で乾いた音は僕の心になんの感慨ももたらさなかった。なんでも良いからメッセージが、意味が欲しかった。その無(wú)情な音が僕の人生を象徴するBGMのようで切なかったのだ。