ゆるされている。世界と調(diào)和している。
それがどんなに素晴らしいことか。
言葉で伝えきれないなら、音で表せるようになればいい。
「才能があるから生きていくんじゃない。そんなもの、あったって、なくたって、生きていくんだ。あるのかないのかわからない、そんなものにふりまわされるのはごめんだ。もっと確かなものを、この手で探り當(dāng)てていくしかない。(本文より)」
ピアノの調(diào)律に魅せられた一人の青年。
彼が調(diào)律師として、人として成長する姿を溫かく靜謐な筆致で綴った、祝福に満ちた長編小説。